土方さんとは、お昼に料理屋で落ち合う事にした。
近藤さんが帰る時間によって、ずれる事もあると了解した上で。
そこで、ヒミコは「良いこと」を思いついた。
「ね、この携帯電話、写真も撮れるんですよ。一緒に写って下さい。」と二人に頼んだ。
土方さんと沖田さんは、胡散臭げにしていたが、快く承知してくれた。
携帯をカメラにすると、
「smile~」と言って、カシャッと音がした。
ヒミコは、これは一生の宝物だな、と思った。
土方さんとは一旦別れ、ヒミコは沖田さんと出かける事になった。
沖田さんが、
「何処へ行こうか?」と聞いてきたので、ヒミコは、
「壬生寺とか八木邸とか、、、でもいいですか?」と聞いた。
聞いてから、そっち方面だと、山南さんの事を思い出させてしまうとハッと気づいたが、沖田さんは、
「いいですよ。」となんでもない風に承知してくれた。
そして、門番をしていた平隊士に、行き先を告げた。
西本願寺の屯所から壬生寺まで、歩いた。
ヒミコは、着物姿だったので、じろじろ見られる事が無い事を嬉しく思った。
壬生寺はもう、目と鼻の先にあるというところまで来た。
そして、昨日、初めて沖田さんと歩いた時に思った事、天才剣士と一緒に歩いていたら、何も恐くないな、と同じ事を思った矢先、昨日の浪士が突然、姿を現した。しかも、一人では無く、四人居た。
浪士達は、長州藩らしかった。新撰組と長州、会えば斬りあいになる運命。
「昨日の借りを返しにきたぜ。」と言って、沖田さんに斬りかかろうとした。
沖田さんは、慣れた事のように、
「折角の非番なのに、ついてないな、でも、仕方ない。お相手するとしようか。ヒミコさん、私の後ろに居てね。」と言って、ヒミコを背に庇い、清光を抜いた。
浪士達もさすがに武士、なのだろうか、ヒミコを襲うという、卑怯なマネはしなかった。
ヒミコは、恐いながらも沖田さんの戦い振りには、目を見張った。
一人対四人という不利な戦いをものともせず、次々と浪士達に傷を負わせていったが、後二人にてこずった。
と、その時、心強い助っ人、土方さんが現れた。
「総司!よし、あとは一人づつだ!」と叫んだ。
「土方さん、早かったですね!」と沖田さんも叫んだ。
二人は、一人づつに対峙した。
ようやく、ケリが付いた。
浪士達は、それぞれ、傷を負ってはいたが、誰も死ぬことなく、逃げ帰っていった。
ヒミコが、少しの時間、固まっていると、土方さんが、
ヒミコの肩を揺らして、
「おい、大丈夫か?浪士達は、もう居ない。安心しろ。」と優しく言ったので、ヒミコも、ハッと我に返り、
「は、はい。でも、びっくりした~。こんな事、平成では有り得ないので、、。でも、沖田さんも土方さんも本当に強いんですね。
それと、浪士達も死ななくて良かった、、、。」と素直に思ったことを言った。
それを聞いた二人は、少し釈然としない面持ちであったが、
「さあ、壬生寺に行こうか。」と三人揃って向かった。
壬生寺と八木邸を堪能させてもらい、ヒミコは、二人にお礼を述べた。
そして、三人は、料理屋に入った。
そこで、お昼を食べていると、土方さんが、口を開いて、
「ヒミコさん、さっき、浪士達も死ななくて良かった、って言っていたよな。」と聞いてきた。
ヒミコは、
「はい。一つしかない命を粗末にしてはいけないと思うし、人に限らず全ての命は、何よりも大切だと思います。敵の命であっても大事な事には変わりないと思います。」と自分の考えを述べた。
ヒミコが言った言葉は、沖田さんは、病気で命を奪われてしまうけれど、土方さんは、何とか自分の命を守る方に向けて考えて欲しいと思って、言った言葉だった。
つづく。
ドリーム。
三人で写真撮りたい。
沖田さんと土方さんが浪士と戦ってる戦闘シーンがナマで見たい。
「命」を粗末にしないで欲しいと、幕末の武士達に言いたい。
「命の大切さ」の感覚が、昔の人(特に、武士)と現代人の違いかな、と思う。
なんか、話が硬くなってきたな、かる~いノリに戻さなきゃ。
それと、近藤さん、登場させなきゃ。(又、書いてる)
ついでに、この小説(SS?)は6月26日から始めました。
(冷麺はじめました。みたいだな、、、)
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